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お悩みNO.616
ミイさん
中三 息子 二学期からの不登校削除
はじめまして
伊藤先生のメルマガなども読んでいます。
公立学校に通う中三の息子、この一か月、「面倒・だるい」「中学卒業したら死ねばいい」とほとんど学校に行っていません。

一年前からiPodタッチ(自宅のWi-Fi環境のみスマホと同じく使用できる)を購入したせいか、ゲームと動画で勉強への意欲が下がりました。
中二の間は、遅刻しながらも何とか塾にも通い、テスト前は学校の課題に取り組んでいました。学校・部活のさぼりはありません。

中三になる前の春休みに、突然、「こんなに勉強しても上のクラスに行けないから意味がない」と、塾を拒否し、やめました。
中三になり、1年2年持ち上がっていた慕っていた男性の担任が異動し、クラスのメンバーも息子曰く「ノリが悪い」と、不満でした。
(のちに、異動した担任がいなくなり、学校で信頼できる先生が誰もいないと言っていました)

それに加え、1年2年とクラス委員を続けていたのを、他にやりたいという子に譲り、体育委員になりましたが、春の運動会では、息子のクラスは惨敗。運動部の女子のが少なく、息子は苦慮し、我慢もしたようです(担任の先生より)

3年生の一学期は全く勉強せず、学校の課題も白紙提出でしたが、授業は聞いており、平均点以下ですが、2学期に追い上げられる状況でした。

勉強は散々ですが、サッカーの部活は部長を務め、強豪ではありませんが、自分たちの力を出して、やり切りました。

夏休みはサッカー部の友達が通っている夏期講習を受け、前半は意欲的に通っていましたが、お盆休みをはさみ、「面倒・だるい」とぱったり行かなくなりました。塾へ行く着替えまでしたのに、一歩外へ出られないようです。
夏休みの宿題は、私が手伝ったというか、ほとんどやり、何とか提出しました。

二学期になり、すぐに修学旅行があり、楽しく過ごした一週間後、突然「だるい」と学校を休みました。(後に、提出の宿題が終わっていないから嫌だったと言われました)
そこから、一時間目だけ行くも、すぐ帰る、中間テストは何とか受けましたが、テスト問題を読まずに寝る。卒業アルバムの写真だけ撮って帰るなど、授業はだるいと受けません。
担任の先生から彼女とも別れたようで、それで一時はどよーんとしていました。

今日は音楽会で、数日前に学校においでとみんなが手紙を書いてくれましたが、「どうせあいつらなんか(一部の話が合わない女子)」と、心に響かずでした。聞きに行く予定でしたが、中や逆転状態なので、午後からなのに寝てしまい、私が起こすと「行かない」になりました。
その後、起きてから「お前が起こすから、俺はキレるんだよ、起こすのが遅いんだよ」と、こちらのせいです。

担任の先生は30代の女性で、息子は嫌いではないようですが、「前の担任・クラスが良かった、こんなクラスは違う、俺が中心じゃない!」と、クラスを否定します。
担任・サッカー部の顧問・他の先生も息子と話しますが、その場では「うんうん」言いつつも、自宅ではダラダラ。

このような状態になり、別居している父(私の夫)とで取っ組み合いがあり、そこからは、こちらも刺激せずに干渉しないようにしていますが、つけあがり、好き放題して甘えているのではないかと思います。

クラス委員・サッカー部部長、勉強もそこそこしていたのに、この変わりように、戸惑い、受験への焦り、私の子育ての振り返り、フルタイムでの仕事と、6歳の次男の相手と、何を考えて良いか分かりません。

高校は定時制やチャレンジスクールかと思っていますが、本当に通うのか、悪いほうに流されないかなど考えると、息子を怒鳴りたくなります。

夫とは別居で、興奮すると息子は「あんな奴、いなくていい」や、私にも「お前の育て方が悪い」と言います。
刺激しなければ「ママ〜」と、用を言ってきます。
学校に行くと友達としゃべり、いつも通りだそうで、自宅に友達が来ると楽しそうだし、映画にも行きました。

一か月ですが、先が見えず、病院や施設へ連れて行くなどの早い対処がいいのか迷います。
私はスクールカウンセラーに通っていますが、息子は私と出掛ける訳もなく、カウンセリングや病院などには連れて行けません。
投稿日:2016-10-21
返信 1
伊藤幸弘教育研究所さん
ミイさんへ削除
はじめまして。
書き込みありがとうございます。
中3の息子さんに関するお悩みですね。

病院や施設でのカウンセリングも視野にしれているとのことですね。
早いに越したことはありませんが、本人が納得した上でが大前提です。
そうでないと効果が半減します。

それでは、どうやって納得させるか。
それには時間が掛かるケースもあります。

まずは不登校、思春期、コミュニケーションなどに関してまとめてみました。
以下を参考にしてみてください。
投稿日:2016-10-22
返信 2
伊藤幸弘教育研究所さん
ミイさんへ削除
「不登校について?」

そもそも、不登校とは、次の定義があります。
「何らかの心理的、情緒的、身体的、あるいは社会的要因・背景により、児童生徒が登校しない、あるいはしたくともできない状況にあること(ただし、病気や経済的な理由によるものを除く)」。
なお、不登校については従来、学校基本調査において30日以上欠席した児童生徒について、その理由別区分として「病気」、「経済的理由」、「学校ぎらい」、「その他」として調査していたところ近年「不登校」という名称が一般的に使用されるようになったことに鑑み平成10年度の調査から上記区分のうち「学校ぎらい」を「不登校」に名称変更した経緯があります。
親として不登校を正確にご理解いただくために、以下の内容をまとめましたので参考にしてください。
・現在では不登校児は約13万人といわれている。
・不登校を生み出す原因のひとつに親の過干渉(先回り)があげられる。
・このように育てられた子供は自立心が育たない、人をすぐに頼る、人のせいにする、幼い、わがまま、神経質なくらいきれい好きかその逆、人の顔色ばかり見て自分を出せない…etc。
・小学校の頃は友人とよく遊ぶ。(友人が多いのではなく誘いを断れない)
・中学生くらいになるとわがままで融通性がない性格が表れて友人が離れていく。
・昼食はひとりで過ごすことが多くなり校内を徘徊して時間をつぶす。そのために周囲からは気持ち悪がられて精神状態は悪化して次第に不登校へとなる。
・また不登校へのきっかけとしては大人にとっては取るに足らないことも多く、はっきりした原因や理由が不明なケースが多い。
・不登校の症状としては、37度くらいの微熱、頭痛、腹痛、吐き気が4大症状。その他には冷たいものを良く飲む、不眠、うるさいと口走る、昼夜逆転、部屋にこもる、ゲーム・ネットにはまる、家族と顔を合わせない、部屋に誰も入れない、自分より弱い妹・弟に強く出る、親と一緒に寝たりお風呂に入る(退行)。
・不登校を生み出しやすい家族としては、夫婦関係が悪い、家族の誰かが亡くなる、過干渉、放任、父性・母性の欠如、母子関係が強すぎる、兄・姉の非行・不登校・引きこもり、親が異常に学歴や世間体を気にする、親が宗教熱心な信者、親が定職に就かない、親の失業、転勤、厳格、威圧的、神経質。
・不登校の子どもを無理に学校へ行かせることはインフルエンザで高熱が出ているのに解熱剤で強引に熱を下げるのと同じで余計に悪化してしまう。
・不登校の子どもは弱者ではなくむしろメンタル面は強い。思い込みが激しくこだわりが強いために周囲に溶け込めない。
・子どもには文句を言わせることが大切。「あの時はこうだった」「あの時、ああ言われた」…。親は黙って横に座り目を見て聴いてあげることが大切。
・不登校児の3割が引きこもりになる。

【不登校の子供の親の不安】(一般例)
?学力の遅れで進学が出来ないのでは?
大切なのは生きる力、知恵、人との関わりであり学校以外でも充分に養える。
?社会性や適応力がみにつかない?
学校以外で自分らしさを発揮できる子がいても良い。現在の学校システムに合わない子がいても不思議ではない。
?学校くらい我慢できないで社会で通用するのか?
必要な我慢もあれば有害な我慢もある。身を削って学校に通うことがマイナスになる。学校は命まで削って通う場ではない。
?無気力人間になるのでは?
無気力で学校に行かないのではない。体調の不調は身体防御反応。
?学校に行かないのならせめて○○してほしい。
学校に行かない代わりに何かをするというのは無理な要求。じっくりと子どもの成長をみる心のゆとりが必要。

【不登校の子どもを持つ親に向けて】(我々からのアドバイス)
? 不登校の状態を責めたり、刺激したりしない。
? 子どもの良い面を見つけ、認めて、誉めて、信頼する、
? 一番悩んでいるのは本人であることを理解する。
? 子どもの言葉や言動から心の中にあるものを理解する。
? 一人の人間として子どもを認める。
? 絶対に焦らず、長い人生のうちの休憩だと思うこと。
? 親に勉強する機会をくれた子どもに心から感謝する。
? 親の焦りは子どもに伝わってしまう。大きな心で子どもに接する。
投稿日:2016-10-22
返信 3
伊藤幸弘教育研究所さん
ミイさんへ削除
「不登校について?」

不登校は甘えではありません。
いじめ、先生や友人との相性、家庭環境等で心が折れている状態です。
しかし、いまだに不登校に関する理解不足から「甘えている」「根性が足りない」「逃げているだけ」と言う方もいます。
不登校の子どもたちには、部屋から出られない人もいます。
それは、部屋から出ようとしていないのではなく、部屋から出ることができないのです。
怪我で両足を骨折している人に「マラソンを走れ」とは言いません。
走らない人に「甘えている」とも言いません。
どうか「不登校」に関する正しい知識、また不登校の子どもたちに対する「受容と共感」の姿勢で接してください。
そして何よりも優しく接してあげてください。
投稿日:2016-10-22
返信 4
伊藤幸弘教育研究所さん
ミイさんへ削除
「過保護・過干渉・しつけ」

よく、「過保護は子どもの教育上、良くない」ということを耳にします。
過保護が子育てをしていく上での悪い代名詞にもなっているのです。

「あの子は過保護で甘やかされたので、自分勝手で協調性がない」とはよく聞かれる言葉です。
しかし過保護はほんとうにわがままな子どもにしてしまうのでしょうか。
子どもは親(主として母親)をとおして、心の発達でもっとも大切な自分が生まれてきた世界への基本的信頼感と、自分の存在に対する自信を獲得して成長していきます。
そのためには自分の欲求がいつもしっかり受けとめられ、十二分に愛され保護される必要があります。
要するに、子どもは本能的に親の愛情を欲しているのです。そして親の愛情により子どもは健やかに育つのです。

大きくなってもわがままや甘ったれの原因というのは、過保護ではなく、親の無関心が原因です。
子どもに対する親の愛情が薄いと、育児放棄的になるか、逆に何でも与えてその場をしのごうとする「過保護的な行動」になるか、のどちらかではないでしょうか。
つまり同じ「過保護的な行動」であったとしても、親の愛情があるか、または親の無関心かにより、子どもに対する影響は正反対になるということです。

一般的に「過保護は子供をダメにする!」というのは、実は後者(親の無関心)のことであると思います。
では、親の愛情があれば過保護でも問題ないのか?というと「問題ない」と思います。
むしろ小さいうちに子供の欲求を満たしてあげれば、子どもは満足して過度に欲求をすることはなくなってくるということです。

いつまで経っても、大人になっても欲求が収まらないというのは、先に書いた「親の無関心」が原因のひとつにあるのです。
いくらモノを与えても子どもは満たされないということです。
子どもが本当に欲しいものはモノではなく、そのモノを通して親の愛情を感じることではないでしょうか。

子どもがオッパイを欲しがれば与えればいいし、子どもが抱っこを要求すれば抱っこしてあげればいいし、何かを欲しがれば出来る範囲で与えればいいと思います。

ただし、親の思いは率直に子どもに伝えることも大切です。
例えば経済的に無理のあるものを欲しがっている場合は「買えない」ことをきちんと伝え、代わりに手作りにチャレンジするとか、抱っこしてあげたいけど大きな荷物を持って無理な時や体が弱くて難しいときは、家で座ってなら出来ることを伝えたりすればいいのです。
無理のない出来る範囲での「過保護」は大いにやってあげるべき、そしてそれらは「子どもの自律」の妨げにはならないというのが我々考えです。

ちなみに、危険なこと、人としてやってはいけないこと、これらは「しつけ・教育」の問題であり、過保護とはまた違った性質のことなので、それらと混同しないで欲しいと思います。

過保護と過干渉はつい混同されがちですが、その性質はまったく異なるものです。
多くのご相談を受ける中で、昨今は親による子どもへの過干渉がとても多いと感じています。

過干渉とはその名のとおり「過度に人に干渉すること」です。
この過干渉は大いに子どもの「自律」の妨げになります。

一般的な子供への過干渉の例を言うと
・子供が欲求していないことに良かれと思い口を出す
・必要以上に子供の言動に口を出す
・先回りして良し悪しを植えつける

幼児期になると子どもはのびのびと自発的に行動するようになります。
あらゆることに興味を示し、何度失敗しても叱られても、またすぐ忘れて果敢に挑戦していきます。
親は心配で見ていられませんから、つい手を出します。
しかし、この規制や干渉が強すぎると子どもは親の愛情を失うことを恐れて、“偽りの前進”や退行現象に陥ったりすることになります。
ですから「過干渉には注意」が必要です。

「過干渉」の何がいけないかと言うと、まずは子どもの考えや思い、意見を無視して干渉するということです。
ここで難しいのは先ほど挙げました「しつけ」と「過干渉」の境です。

「しつけ」はもちろん大事なことです。
子どもに口を出したくなくても、しつけの一環として口を出さざるをえないことは当然あります。
子どもの意見だけを尊重するわけにはいかない場面はあります。

それはもちろん大事なことであり、子育ての過程では、親としてやっていかなければならないことです。
しかしここで言う「過干渉には注意」が必要というのは、親の考えや価値観を過度に植えつけようとすることを意味します。
人は誰だって性格や考え方、価値観は異なりますし、それは親子だって同じことなのです。

過干渉の危険な要素はその親の価値観を子どもに植えつけようとし、親の価値観に反すれば注意して正そうとすることです。
更に過干渉を例えると、ごはんを食べるのが遅いから「早く食べちゃいなさい」と言うのはいいのですが、早く食べるように手伝ったり、食べる順番をいちいち指摘したりすることは「過干渉」と言えます。
また、今日は暑いから「こっちの服にしなさい」と言うのはいいのですが、それを過度に強要したり、子どもがたいして興味がないのに、親が良かれと思うことで遊ばせたり、習い事をさせたりすることも「過干渉」と言えるでしょう。
よく耳にするのは、特に害はないけれど、親が不愉快に思うことは止めさせようとしたり、何かにつけ、あーしろこーしろと指示をしたりすることも「過干渉」です。

これらの例で、「しつけ」「過保護」「過干渉」の違いが何となくご理解頂けるかと思います。

過干渉でよく言われているのが、「親の子どもに対するマインドコントロール」です。
その結果、子どもは何が良くて、何が悪いかの基準を正しく理解することが出来ずに、親の顔色が基準になってしまうのです。
子どもは自分の考えで行動出来なくなる恐れがあり、自分(子ども)の価値観で良し悪しを判断することを認められず、親の価値観が優先されてしまうのです。
これでは子どもの「自律」が育たないのは当然のことであると言えます。

しかしこの手の親は、なぜ子どもが自律できないのかが理解できてない場合が多いのです。
結果的に更に親の干渉が増え、そして子どもの自律は更に遠のくという悪循環が生まれてしまうのです。

注意すべき点は、親が過干渉にしていることを気づかない場合です。
早く気づけばいいのですが、自分で気づくのは、なかなか難しいことです。
親に自分の望むことを十分にしてもらっている子どもは、家庭以外でも先生の手をわずらわせないで仲間と仲良くのびのびと遊べます。
ですから友だちのなかに入っていくのが上手か下手かをみるとよくわかります。
保育園や幼稚園で親から何日も離れられない子、いつも先生の周りにまとわりついていて、友だちのなかに入っていけない子は過干渉の可能性があります。
先生の周りでいい子になってお手伝いしている子はまだいいのですが、先生のいやがることをわざとたくさんして関心をひく子でしたら要注意です。

カウンセリングを進めていく中で感じるのは、過干渉の親というのは、親自身が周りから受けいれられていないケースが多いと感じています。
自分が受けいれられないのに子どもを受けいれることは難しいです。
自分が孤独ですから、子どもが自分のいうことをきかないと許せないのです。
子どもが唯一の話し相手であり、受け入れてもらえる相手であり、コントロール可能な対象なのです。

ですから、過干渉の親にならないために、親自身の人間関係をよくしていくことが大切と言えます。

夫婦関係は元より、地域や親戚、友人関係を良くし、お互いに受けいれられる状態でなければいけません。
そうした親は、子どもの話を聞くだけでなく、子どもの願いもかなえることができます。

孤独になるにしたがって過干渉になり、ゆくゆくは虐待するようになるのです。
しばしば体罰をする親や教師に多いパターンです。親や教師自身が我慢できない。
親同士・先生同士が孤立していては、どんなに優秀な親や教師であっても、いい子育てや教育、指導はできません。
そのためには、コミュニケーションが最も大切なのです。

干渉も、やリ方によっては過干渉になりかねません。
子どもがいやがる塾や習いごとに無理やりに、いつまでもつれていくことがあります。これは過干渉です。
子どもの個性と能力と、いやがる度合を見て、干渉か過干渉かをみきわめればいいのです。

ただし、子どもが望んでいないことをしてはいけない…ということではありません。
ここで申し上げたいのは「過剰にしてはいけない」ということです。
どこまでが過剰で、どこまでが過剰でないか、これはそれぞれの家庭の価値観、環境、文化、親子との関係などで決めればいいことです。

親と子の関係は、普段から、子どもの言うことをたくさん聞いてあげていれば、親の言うことも聞かせやすいということがあります。
いつもたくさん言うことを聞いてもらっていれば、子どもは少しぐらい我慢できるのです。
あまり聞いてあげていない子に我慢しろと言っても我慢できるものではありません。

また普段よく話を聞いて欲求をかなえてもらっていれば信頼感もあります。
信頼している人の言うことはよく聞くけど、信頼していない人のことはちょっとしたことでも聞けないのです。

よく、「怒るはダメで、叱るがいい」と言います。我々も以前はそう伝えていました。
決して間違いではありませんが、大事なことが抜けています。
それは「誰が」と言うことです。

信頼している人から怒られても、それはすべてがいやなわけではありません。
信頼していないとから上手に叱られてもストレスしか感じません。
信頼関係で結ばれている親子であれば、多少感情的になって怒ったとしても「自分(子ども)のために言ってくれているんだ」と思ってもらえるはずなのです。

ですから、普段から子どもの欲求をよく聞いて、良い親子関係を作っておくことが大切です。
子どもの欲求をたくさんかなえてあげ、子どもが願ったとおリの愛し方をする…これが保護であり、過保護であっても、ちっともかまいません。
そして満たされている子どもには、ある程度の干渉もできます。

重要なのは、「親の欲求不満を満たすための過干渉」は慎んでもらいたいということです。

※上記で説明しました、「コミュニケーション」に関しましては別途、ご説明します。
投稿日:2016-10-22
返信 5
伊藤幸弘教育研究所さん
ミイさんへ削除
コミュニケーション(「聴き方」「伝え方」)

■信頼関係の構築
相手との信頼関係の構築を図るためには円滑なコミュニケーションが大切です。
カウンセリングの領域では、カウンセラーとクライアントの信頼関係(専門的には“ラポール関係”といいます)が絶対条件といわれます。ではその円滑なコミュニケーションを図るにはどうすればいいのでしょう。
コミュニケーションの2つの柱ともいえる「聴き方」と「伝え方」に関して紹介します。


■「聴き方」
「聴き方」を意識しながら相手からの話を聴いたことがありますか。
「話し方教室」とか「話し方の本」というのはありますが「聴き方」に関する本は意外と少ないのです。
しかし、円滑なコミュニケーションを図る上ではこの「聴き方」が特に重要です。

ここではあえて「聴く」という文字を使います。物理的に音が耳に届く「聞く」でもなく、言葉であれこれと尋問する「訊く」でもなく、「心」の文字が入っている「聴く」です。これは、相手を受け入れて相手の話しに耳と心を傾けることを意味します。専門用語では「傾聴」と言います。

相手の話を上手に「聴く」ためには以下の2つの聴き方に分かれます。
その2つとは、「受動的聴き方(パッシブリスニング)」と「能動的聴き方(アクティブリスニング)」です。
それぞれポイントは3つあります。


■「受動的聴き方(パッシブリスニング)」の3つのポイント
1.黙って聴く
これは簡単なようで意外と難しいです。
しかし、すべての「聴き方」のベースとなる姿勢です。
相手の話しに意見を割り込まずまずは黙って聴いてあげる聴き方です。
黙って相手を聴き、受容してあげることで信頼関係は更に強いものになるでしょう。

2.うなずく
「メラビアンの法則」をご存知でしょうか。
1対1で話したときに、どのように影響を及ぼすかというと、話の内容などの「言語情報が7%」、口調や話の早さなどの「聴覚情報が38%」、あいづちやうなずき等、見た目などの「視覚情報が55%」の割合であったという実験結果があります。
この割合から「7-38-55のルール」とも言われ、「言語情報=Verbal」「聴覚情報=Vocal」「視覚情報=Visual」の頭文字を取って「3Vの法則」ともいわれています。

話しの内容により大きくうなずいたり小刻みにうなずいたりする聴き方です。
大きくうなずくときは「なるほどねぇ〜」と言う意味があり、小刻みなうなずきは「もっと話して」という意味を持ちます。それにより相手は「聴いてもらえている」という満足感が得られます。


3.思いを引き出す
「それ、面白そうだからもっと聴かせてよ」「それ大変だったね。もう少し詳しく話して」「それについて、あなたのほうでも何か言いたいことがありそうだね」、「あなたにとって大事なことのようだね。詳しく聴かせて」等のようにひと言、付け加えることで相手を気持ちよく話させてあげることが大切です。
(※注意:実際の会話は「あなた」ではなく、必ず相手の名前を呼んであげてください。特に相手がお子さんの場合は名前を呼ぶことが効果的です)


■「能動的聴き方(アクティブリスニング)」の3つのポイントは…
1.話しを繰り返す
相手の発した言葉の語尾をこちらが繰り返して発しながら聴く方法です。
会話にいいリズムがうまれて話しやすくなります。
そして、相手は「自分の話を聴いてもらえている。理解してもらえている」となります。

ただし相手が意見を求めている場合は繰り返しによる聴き方はいったん中断してください。
相手から何かを質問をされている場合にその質問を繰り返しても堂々巡りになってしまいます。
その際は、はっきりと自分としての回答をしてあげるといいでしょう。

2.話しをまとめる
相手の話をある程度の段階でまとめてあげると会話のリズムにアクセントがつき、これも効果的です。
例えば、相手が悩みを打ち明けたとします。
悩みを打ち明け始めると人は一気に捲くし立てるように話し始めます。
それこそ途中でさえぎりたくなるくらいに。
その際に、最後まで聴いてそれをまた繰り返す方法(話しを繰り返す)をすると時間が掛かる作業ですし余計に混乱を生じます。
その際はある程度こちらで話をまとめてあげるのです。

3.気持ちを汲む
「それは嬉しかったね」「それは悔しいね」「それは腹が立つよね」。
こんなふうに相手の心の中の気持ちをこちらの言葉として伝えることで相手は安心した気持ちで話しを出来ます。
高級クラブに高いお金を払ってまで、サラリーマンが通うのは、高級クラブのママさんたちはこの「気持ちを汲む」等、聴き方に長けているからなのです。


■伝え方
相手に何かを思いを伝えるときには相手に「何を伝えたか」ではなく「何が伝わったか」が大切です。
それを意識することで、相手に対して自分はどれだけ大切に思われているかを実感させる効果があります。
それを伝えるためには「言葉」が大切です。

「これは言わなくても分かるだろう」、「恥ずかしくてこんなことは言えない」。
まずはそういった考えを排除して時間をたくさん使っていきましょう。

相手に思いを伝えたいときは、「Iメッセージ」が効果的です。
相手の行為や出来事を非難がましくなく、事実を述べる伝え方です。

相手にメッセージを伝えるとき、次の2通りの方法があります。
それは、「YOUメッセージ」と「Iメッセージ」です。
コミュニケーションを外す人は、往々にして主語が「YOU=あなた」の「YOUメッセージ」になってしまっているケースが多いです。

例えば…僕がリビングで本を読んでいたとしましょう。
そこへ子どもが入ってきてテレビを大きな音で見始めた。
僕は感情のままに…「うるさい!」「ボリュームを小さくしろ!」「隣の部屋で見なさい!」…と言ってしまう。
これは主語が「あなた=YOU」ですよね。
「“お前が”うるさい!」「“お前が”ボリュームを小さくしろ!」「“お前が”隣の部屋で見なさい!」

こちらの思いを正確に伝え相手とのコミュニケーションも外さない方法は主語が「私=I」の「Iメッセージ」です。

「お前が大きな音でテレビを観ることでお父さんは集中して本が読めなくて困ってるんだよ」…これが「Iメッセージ」です。

ポイントは「行動」「影響」「感情」です。

行動→お前が大きな音でテレビを観ることで
影響→お父さんは集中して本が読めなくて
感情→困っているんだよ

その後に「だから音を小さくしろ」と言ってしまうとせっかくの「Iメッセージ」がその瞬間に「YOUメッセージ」になります。
「Iメッセージ」で思いを伝えると相手はこちらの思いをちゃんと受け止めてくれるケースが多いと言われています。


■「Iメッセージ」と「聴き方」との切り替え
自分の意見を伝え、相手の考えを聴くというのはコミュニケーション(会話)の基本です。
しかし、いくらIメッセージを活用して伝えても、「相手を変えてやろう」という想いが心の奥底にあると、しつこく何度も同じメッセージを発することになります。
これは「審判的表現」といい、圧力によるメッセージ(=お前が変われ!)になってしまいます。

その際は、まず相手の立場に立ち切って傾聴することが大切です。
これが「Iメッセージ」と「聴き方」との切り替えのタイミングです。
相手の話を聴くことにより、相手の「抵抗」がとれて相手は安心して、自ら変わることができるのです。
また、相手の立場を理解することで、こちらの心にも変化が現れることもあり、他者理解と自己成長が同時に促進されます。

「期待と願望」、「推論と思い込みのズレ」が対人関係のトラブルの元になるのです。
大切なことは“相手を変えようとせず、相手を分かろうとせよ”です。


コミュニケーションとはキャッチボールのようなものです。いくら良いことでも一方的な話と言うのは聴いていてしんどいです。だから、コミュニケーションがドッジボールにならないように、「聴き方」や「伝え方」を意識して相手とのコミュニケーションを図り、信頼関係の構築に努めてください。
投稿日:2016-10-22
返信 6
伊藤幸弘教育研究所さん
ミイさんへ削除
「思春期・反抗期 対処法」

■反抗期は自律のための儀式
「反抗期は、親と子の別れ、自立のための儀式です。
喜怒哀楽を思う存分に分かち合いましょう! 」

これは、私が反抗期の子供を抱えて相談に来られるお母さんにお伝えするメッセージです。
子どもが反抗期になりますと、非行に走りはしないか、 暴力をふるわれたりはしないかとびくびくしたり、怖がったりするお母さんがおられますが、自分の産んだ子を怖がっていたのではどうしようもありません。
ですから、反抗期に大切なことは、子どもに負けないということです。
そして、どれだけぶつかり合うかということです。

反抗期というのは嵐の晩、一艘の船に親子に迎えあわせに乗っているようなものだと思うのです。
どうせ揺れるのなら大きく揺れ動けばいいのです。
イヤッというほど葛藤が多ければ多いほど、子供はスッと自立するものです。
反抗期は親子の存在をこれでもかこれでもかと確かめ合う時期ではないでしょうか。
過ぎてしまえば寂しすぎるほどで、家族にとっては、一番にぎやかな時期といえるでしょう。

ところが今の親(特に母親に多い)は、子どもと真正面から向き合っていないケースが多いのではないでしょうか。
それは本をただせば子育てに自信がないからだと思います。
その原因はいろいろあるでしょうけれど、一つにはいじめや自殺、ひきこもりといったマスコミから流される情報に振り回されて親が不安をかき立てられて、それが自信のなさにつながっているように思います。

何から手を付けていいのかわからず心配性になっているのでしょう。
案外、仕事が忙しいからと逃げているケースも多く見受けられます。
つまり、子どもの心が見えないのではなくて、見える位置に立とうとしていないということです。

親が子育ての上でできることは何かといえば、「待つ」「見守る」「じゃまをしない」ということです。
そして、子供が育つ上で大切なことは、「食べる」「寝る」「遊ぶ」の三つです。

このそれぞれの三つのリズムを周りに振り回されることなく親と子できっちりと守ることができれば、子供は健やかに育ってくれます。
これは動物の子育てに学ぶところが多いのですが、当たり前のリズムを守ることが子育ての基本で、人間の場合には、これに学びが入るわけです。

ところがこの学びが問題で、今の親は学力ばかりに気を取られて、リズムを崩してしまうことが多いように思います。
成績が良いからといって心に問題がないとは限りません。
子どもには子どもらしい環境、時間を整えてあげることが大切ではないでしょうか。

■ブーメラン!言った言葉、態度は必ず返ってくる
ところで、反抗期は思春期に限ったことではありません。
生まれてから、二、三歳の頃に第一反抗期が始まり、その後も大なり小なり続くわけですが、中でも「三つ子の魂百まで」と言われるように、幼少期思春期を支える土台となります。
また、親が子どもに言った言葉や態度は、必ず反抗期に戻ってきます。
では、生まれてから思春期までの子どもにどのように接すればよいのでしょうか?
各年代別にまとめました。該当しない年代もあるでしょうが参考にしてください。

●0歳〜3歳
おんぶ・抱っこ・一緒にねんねと、スキンシップの時期。母と子の信頼関係は、ここからスタートします。

●3歳〜6歳
自己主張が一番強い時期で親の世話をとても嫌います。
自己主張、自立の時期です。
何でも「自分で、自分で」となりますので、この時期は子どもがやりたいことを思いっきりやらせましょう。
少々のことは大目に見てあげればいいのですが、よく子どもと同じレベルのお母さんがおられますね。

「お母さん嫌い、自分でやる。ダメ、やる。」
「そんなこと言う子、お母さんも嫌い。」

「ダメ、イヤ」が同じレベルなのです。
これではいけません。
子どもが「自分で」と言ったことには、できる限り手を出さずに見守ってあげることが大切です。
そして「上手ね」と言って褒めてあげる。あるいは共感してあげればいいのです。
とにかくこの幼児期のいろんな小さな体験の積み重ねがとても大切で、それが生きる力のバネとなるのです。

●小学校低学年期
家庭中心の生活から学校中心の生活になります。
いわゆる「先生中心のメダカ社会」です。
その中でも三、四年生は中間反抗期といって、しきりに言い返す、口答えをする時期です。

そんなときは軽く受け流すくらいの余裕を持ちたいものです。
でも中には反抗の仕方を教えているようなお母さんもいますね。
「あらまあ、あなたって随分頭がよいのね」と感心すれば良いだけなのですが、親が子どもに言い返したり悪態をついたりして、子どもがグーの音も出なくなるほどやり込めてしまうのは考えものです。

それからこの時期に親がしてしまいがちなのが、「○○すれば△△してあげる(買ってあげる)」という交換条件をつけてしまうことです。
これは交換条件を提示しないと何もしない子どもになってしまいます。
それは親が子どもに負けてしまった姿であり、親がいけないのです。

あとは「やれ」と命令されればイヤになりますから、むしろお願いしてみることをお勧めします。
子どもはたいていのことは聞いてくれますよ。

●小学校高学年期
ギャクングエイジといわれ、集団で遊ぶ時期です。
仲間とのつながりができ、グループで行動する時期です。
これができないと、むしろ思春期のステップを踏み外しやすいものです。

そしてこの頃には、学校で性教育が始まります。
また、心と身体がアンバランスな時期であり、反抗もさらにダイナミックになって「うるせー、てめー」と暴言を吐いたり、壊す、割る、殴るなど、物に当たることも多くなります。

しかもこの時期は父親を意識して尊敬し始める反面、お母さんをとにかく嫌うようになります。
そうなりますと母親の方も必死になってオロオロしだすケースがありますが、まだまだかわいい時期です。
子どもを恐れずしっかり向かい合いましょう。

要はお母さんがどれくらい子どものことがかわいくて、許容できるかということなのです。
そしてもし問題が起きた場合は、お母さんとの関わり合いが一番です。
ともかく子どもを信頼して大きく受容する。
受け止めてあげて、「あんたに任したよ」の一言で解決する場合も随分あります。

●中高生期
この時期は、成績・異性・将来の何かと気になる三つ感情の起伏は激しくなり、幸福と絶望が交錯する時期です。
それだけに気分の浮き沈みが激しい不安定な時期ですので、特に男の子の場合は、会話でしっかりと抱きしめ(I love you」の声援をでっかく送りましょう!)。
いわゆる二人称の関係が非常に大事で、「お母さんはなんと言われてもいい。あんたのためにどう思われてもいいんだよ。だってうちの子だもん。私が産んだ大切な子なんだもん」という言葉や態度が、子どもの心の安定につながります。

他人にどう思われようが構わないという姿勢がとても大切です。
ところが、たいてい子どもが非行に走り始めると、近所にどう思われるだろうか、誰それの家にどう思われるかという、親の見栄が子どもをおかしな方に導いてしまうのです。
特に母親はやはり子どもの心の居場所になれる、そういう親であること。
そして本当に必要なときに手を貸すことができる親であることが大事だと思います。

それから、反抗期になると、それまで子どものことにはあまり関わらなかった父親が、突然、口を挟むことがありますが、これは場合によっては逆効果になることがあって、わざわざ非行に走らせることになる、大きな要因となります。
つまり、これまで子育てをずっと母親任せにしていた父親が突然出てくると反抗期の子どもにすれば、「何を今更、そんなこと言われる筋合いない。父親は何もお母さんの助けもしないで」とかえって反発を招いてしまうのです。
だいたい父親の接し方は怒ったり、怒鳴ったりの一辺倒過ぎるのです。
それではなかなかうまくいきません。

反抗期の父親の関わり方、特に息子との関わり方はすごく大事です。
「おれは父親だ」と肩に力を入れ過ぎて、やたらに権威を振るうこともないと思います。
「すまなかったなあ。今まではちょっと忙しかったから構わなかったけれども。できればお父さんも仲間に入れてくれる?」と言えば、男同士でもきっと仲良くなれますよ。
いずれにしても、思春期は不機嫌で無愛想なものです。そのことを良く理解した上で接してあげましょう。

●メッセージ
ゆとりを持ちましょう!
子育てに行き詰まったら、とにかく外に出て行くことをお勧めします。
一日中家の中でずっと考えていても何も解決できません。
外に出て、同じ年ごろの同じ立場のお母さんたちと話を交わすだけでもかなり違います。

また、草花や自然を眺めたり、動物を飼ったりするのも良いでしょう。
親(特に母親)の、ゆとり、安定感が子育てには何より大切です。
これは時間的なゆとりではなく、気持ちのゆとりです。
ゆとりはゆとりを生みます。

例えば、幼児期の場合であれば、子供と一緒の外に出て、五分でもいいからちょっと手足を止めて、道端に咲く一本の花や夕焼けを見て「きれいね」って語りかける。
このゆとりが、優しいゆとりのある子を育てるもとになるわけです。

反抗期においても同じ事でしょう。
我々は良く「反抗期は大波小波のサーフィン」とお話するのですが、親子で「さあ次はどんな波が来るかな」とむしろ楽しみに待ち受ける。
この先の社会のタタキ台、しっかりと受け止めさえすれば、すべて肥やしになります。
それくらいの気持ちのゆとりを持ちたいですね。

■子どもの一生のうちの貴重な時期
子どもにとって反抗期は人生のプロセス、自立するためのステップです。
それまでは親を人生のモデルにしてきたわけですが、反抗期になると、親を軽蔑したりして、親を乗り越えよう乗り越えようとする時期です。
いずれ社会に立つ上でのタタキ台であり、甘え・依存からの決別の時であり、なくてはならない時期なのです。

また、自分で自分をどうすればいいのか分からない、ある意味つらい時期とも言えるでしょう。
ですから、親子で喜怒哀楽を思う存分分かち合い、別れの瞬間を確かめ合えばいいと思います。

子どもに残せるものは、大学教育でも何でもありません。
ともに交わす会話、言葉であり、それらすべてが親から子へのメッセージであり、親から子への遺言なのです。
怖がらずに、恐れずに、逃げずに、反抗したいだけ、させるだけさせましょう。

スッ!と自立します。
過ぎてみれば寂しすぎるほど・・・。
投稿日:2016-10-22
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