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お悩みNO.19
ポパイさん
中三の息子の不登校削除
始めまして。中二の三学期から不登校の息子(三男)がいます。新学期も結局登校できませんでした。小学校中学年の頃から朝の出だしが上手くいかず頭髪、トイレ、持ち物、プールなどなど気になること(こだわり)があると行動がとまり遅刻や欠席が多かったのですがとうとうここにきて不登校になった次第です。。最近になって病院の先生とお話したところ(本人抜きです)脅迫神経症的なものを感じるとのことでした。几帳面で感受性が強くキレイなものや音楽が大好きです。良い面と悪い面が表裏一体となっているように感じます。うまれつき持っているものを良く活かして自立できるように親の導きはとても重要に感じていますが親として自信がなくなるときもあり眠れぬ夜をすごすことも多いです。何かアドバイスがあればいただきたくてメール致しました。
家庭での愛情・コミュニケーション不足もあると思い主人も早く帰宅するようになり三人で食卓を囲むなど続けているうちに穏やかにはなりましたが時々色々なことが不安になると悪口・暴言をはきます。訪ねてくれた友達と長く話したり先生とも笑いながら対応したりする様子をみると潔癖的な性分であるにしても、本当に行けないのか?案外ちょっとしたことで学校に戻れるのではないかとも感じます。親の押しが足りない(甘やかし)なのかとも・・・本人は人とあまり会いたくなくて一時は遠くの全寮制の学校に移りたいとも言っていました。完全な不登校になったきっかけも人間関係のようです。教えてはくれませんが学校に行かないのははっきりした理由があるとのこと。最近は、もう中学は行かないからこの先一生オレは地元の友達から不登校児童だったとといわれるんだなあ と落ち込んでいます。
投稿日:2009-04-09
返信 1
伊藤幸弘教育研究所さん
ポパイさんへ削除
ポパイさん

はじめまして。
書き込み…ありがとうございます。

中3の息子さんの不登校に関するお悩みですね。

親として心配ですよね。
眠れぬ夜もある中で早く帰宅し食事を共にするなどご努力をされていると思います。

そんなときにここに書き込みをしていただきありがとうございます。

学校にいかないはっきりした理由。
…これがあるとのことですが今は強引に聞き出すことは避けた方がいいでしょう。
心のドアは外側からは開くことができません。
本人が心を自ら開き語ってくれるのを待ちましょう。

でもただ単に指をくわえていてもポパイさんも焦りが生じてきてしまいますよね。
相手の心を開くにはコミュニケーションが大切です。

コミュニケーションには2つの柱があります。
それは…「聴く」ということと「伝える」ということ。

人は自分の話を聴いてくれる存在を求めています。
子どもにとってそれが親であったり教師であったり。。。

「聴く側」のポイントとしては…
まず相手の言葉を受け入れることが必要です。

例えば相手が…
「昨日、宇宙人に会いました」と言ったとしても
「そうですか」と受け入れるのです。
間違っても…
「それはあなたの幻想でしょう」などと言ってはいけません。
明らかに暑い日でも相手が「今日は寒いですねぇ?」と言ったらまず100%受け入れる!

これは否定しないことで相手との信頼関係を構築するという効果があります。
頼関係がやがて相手の心の奥底にある本音を表面化させてくれるのです。

聴き方のテクニックとしては2種類あります。

一つ目は受動的な聴き方です。
受動的な聴き方「パッシブリスニング」の3つのポイントをお伝えします。

【1.沈黙】
相手の話を遮ることなく黙って聴くことです。
これは意外と難しいんですよ。
ゴーさんご自身を思い返してみてください。
知らず知らずのうちに「話し手」と「聴き手」が逆になっていることないですか?

「相談を持ちかけて話しを聴いてもらっていたのにいつのまにかお説教をされていた」
…なんて話しを耳にするたびに聴き手の技術不足を感じます。

まずは「相手を変えようとせず分かろうとする」ことがポイントです。

黙って聴くときの視線も重要です。
相手が「聴いてもらえた」と感じる視線の使い方を何点かご伝授します。
・相手が目を見て話していたら視線ははずさない。
・相手の話の内容に合わせて時々、視線をはずしてあげる。
・相手の話しに反応して感想を述べるときは視線をなんとなく宙に浮かせる。
・相手を凝視せずに適度にまばたきを入れることで威圧感を弱める。

【2.あいづち】
声のトーン、表情、姿勢に細心の注意を払って絶妙なタイミングであいづちを入れます。

それは…
「私はあなたの話をちゃんと聴いていますよ」
「そのまま話しを続けてください」
「直前の話に興味があります」
…などの意味が込められています。

「メーラビアンの法則」 という言葉を聴いたことがありますでしょうか?
これは対人関係においてどのような要素が相手に影響されているかを表すものです。
それによりますと…
「話しの内容」=7%
「声の調子」=38%
「話し手の態度」=55%
…です。

一生懸命にいいことを話しても内容は約7%しか伝わってないんですよね。
それよりも声の調子や態度といった聴覚、視覚からの影響が90%以上を占めています。


僕も人前で話をする機会が多いのですが
大きくあいづちを打ってうなずいて聴いてくれる方に向かって熱く語ってしまいます。


またカウンセリングの場面ではほとんどが「あいづち」です。
相手に「話させる」という視点に立つことが大切です。

【3.思いを引き出す】
「そのことについてもっと聴かせてよ」
「大事な話しだからじっくり話そうか」
このように言うことで相手に安心感を与える効果があります。

補足ですが相手に安心感を与える姿勢、態度の取り方もお伝えしておきます。
間違っても腕や足を組みながら相手の話を聴かないでくださいね。
これは…
「あなたを受け付けません」
「壁を作り拒否します」
…という意思表示と言われています。
もちろん相手にこの態度を取られていたら
あなたになにかしらの問題があると考えていいでしょう。
信頼関係から再度構築する必要があります。

その他には相手が話しをしている途中でチラッと時計を見たり
持っているペンをクルクル回したり
顔や髪の毛の一部を触りながら話しを聴く。
…というのも心理学以前にマナー違反ですのでご注意を!

効果的なのは…
相手の話す速度や大きさを相手に合わせる。
姿勢は身を乗り出し手は軽く左右を合わせて握る。
また時々、身を起こしてリラックスを促す。
…なんて聴き方が良いかと思われます

二つ目は能動的な聴き方です。
能動的な聴き方「アクティブリスニング」の3つのポイントをお伝えします。

【1.くり返す】
これはカウンセラーがカウンセリングを行うときに
クライアントに対して接する手法の代表的な手法です。
相談を持ちかけてくる時というのは頭の中が混乱している状況にあります。
カウンセラーはまずその混乱を鎮めるために相手の話を「くり返す」のです。
そうすると相談者は冷静に自分を見つめることが出来るのです。

例えば…父と子の会話です。
学校での入部したての部活動を辞めようかどうか迷っていることを息子さん。
そのことを父親に相談したとしましょう。

息子:「部活の練習がきつくて…」
父親:「んっ!部活の練習がかなり厳しいんだね」
息子:「うん。特に先輩がね…」
父親:「そうかぁ?。先輩が特に厳しいんだ」
息子:「そう。あまり厳しいから1年生の半分は辞めちゃったんだ」
父親:「え、1年生の半分も?」
息子:「そうだよ!僕も辞めようかどうか迷ってるんだ」
父親:「そうか。
    先輩は厳しいし友達は半分も辞めちゃうし…。
    それで部活を辞めようかと迷ってるんだね」
息子:「うん…。
    でも、せっかくここまで続けてきたし正直もったいない気もしてるんだ」
父親:「なるほど!反面、辞めたくないという気持ちもあるんだ」
息子:「まぁ?ね。先輩も意地悪で厳しくしてるんじゃないしね」
父親:「そうなの?先輩も意地悪だけで厳しいわけじゃないんだ?」
息子:「そりゃ?そうさ!練習以外は優しいし頼りになるときもあるよ。」
父親:「そうか!先輩も頼りになる時があるんだね」
息子:「うん!だからもう少し頑張ってみようと思うよ!」
父親:「お前が決めたならそれでいい!お父さんも応援するぞ!」

このように導きながら聴くことで
相談者は「理解してもらえてる」「受け入れられている」と感じます。
そしてとても満足な気持ちになり父親に対して信頼を寄せることにもつながります。
自分が発した言葉を聴き手の声で聴くことで客観的に自分の問題を整理できます。

悪い例としては…

息子:「部活の練習がきつくて…」
父親:「何っ!練習がきつい?練習はきつくて当たり前だ!
    そもそもきつい練習に耐えてこそその先に明るい未来があるんだ!
    お前、少し甘えてるんじゃないか?
    父さんの若い頃なんかもっと厳しかったぞっ!
    でもあの頃、頑張ったからこそ今があるんだなぁ?。
    お前も今、苦労しなさい!」
息子:「………。」

どうですか?
一方的に推論だけで話し相手を叱りつける。
そして自分の昔話まで持ち出して長々とお説教を始めるタイプ。
身の回りにもいませんか?

これだと相談者は二度と相談を持ちかけないどころか
相手のことを嫌いになってしまうでしょう。
気をつけましょう。

また注意点として明らかに相手が答えを求めているときには
「くり返し」によるアクティブリスニングはいったん中断してください。

息子:「部活で明らかに先輩が後輩をいじめてるんだ。
    そのいじめがかなり度を越していてね…。
    お父さんはどう思う?」
父親:「部活の先輩のいじめについてどう思おうか聴いているんだね」
息子:「うん。お父さんはいじめについてどう思う?」
父親:「お前はお父さんのいじめに対する考え方について聴きたいんだね」
息子:「だから!それをさっきから聴いてるんだよ!」
父親:「なんか…イライラしているんだね」
息子:「………もういい」

そして相手が「相談」を持ちかけて来ていないのには
無駄に「くり返し」で聴かないでください。

息子:「お父さん、しょう油取って。」
父親:「お前はお父さんにしょう油を取って欲しいんだね」

…これは…まぁ?あり得ないと思いますが…。

【2.話しをまとめる】
相談者は話をしてくる時にかなり興奮しています。
なので一気にまくし立てて話しをしてきます。
そんな時にいちいいちくり返して話を聴いていたら余計に混乱いてしまいますよね。

例えば…母と娘の会話。

娘:「ちょっと聴いてよ!
   今日ね、友達のA子ったらひどいの!
   私が貸したミスチルのCDを勝手にB子に貸しちゃったんだって!
   本当はその次にC子に貸そうと思っていたのに!
   だってC子の方がB子よりもミスチルのこと好きだし!
   A子に文句言っても謝ってくれないの!
   それどころか逆ギレされちゃって!
   すっごいムカツク!」

さぁ?これを「くり返し」で…なんて無理ですよね。
「え?っと、ミスチルがA子のことを好きで?じゃなくてB子がC子を好きなんだっけ?」
…とわけがわからなくなります。

そんな時は…
母:「お友達に貸したCDを別のお友達に貸そうとしたら
   その前に断りもなく又貸しされて気分を害しているのね」
…と話しをまとめてあげることで相手は冷静になれるはずです。

でも…まとめ過ぎもよくありません。

カウンセリングをしていて帰り際に
「今日の僕の話し…ご理解いただけました?」と聴くと
「はい!要するに“心が大切”ってことですよね!」
…これはまとめ過ぎ…です。

【3.気持ちを汲む】
マザー・テレサ曰く…
「人間にとって耐え難い苦痛は飢餓や貧困や伝染病ではない。それは孤独である」

自分のことを分かってくれない、分かろうとしてくれる人がいない
という孤独こそ人は耐え難いものです。
人間の3大本能は「食欲」「性欲」「集団欲=群居本能」だそうです。
本能を満たされると人は「快」になり、満たされないと「不快」になります。
そしてそれが続くと心や体調に変化が生じることもありとても大切な問題なのです。

「つらかったね」
「不安だったんだね」
「寂しかったんだね」
「それは腹が立つ話しだね」
「悔しかったね」
…など、相手の心の様子を口に出して確認してあげることで相手は安心するのです。

続いて!
「メッセージの伝え方」についてお話しますね。

相手に何かを思いを伝えるときには
相手に「何を伝えたか」ではなく
「何が伝わったか」が大切です。

そうすることで子どもに対して
自分は親にどれだけ大切に思われているかを実感させてあげてください。
それを伝えるには「言葉」が大切です。

「これは言わなくても分かるだろう」
「恥ずかしくてこんなことは言えない」
…まずはそういった考えを排除して時間をたくさん使って。。。

相手に思いを伝えたいとき!
「Iメッセージ」が効果的です。

相手にメッセージを伝えるときって二通りの方法があるんですよね。
「YOUメッセージ」と「Iメッセージ」

コミュニケーションを外す人って主語が「YOU=あなた」の「YOUメッセージ」になってしまってるケースが多いです。
例えば…僕がリビングで本を読んでたとしましょう。
そこへ子どもが入ってきてテレビを大きな音で見始めた。
僕は感情のままに…「うるさい!」「ボリュームを小さくしろ!」「隣の部屋で見なさい!」…と言ってしまう。
これは主語が「あなた=YOU」ですよね。
「“お前が”うるさい!」
「“お前が”ボリュームを小さくしろ!」
「“お前が”隣の部屋で見なさい!」

こちらの思いを正確に伝え相手とのコミュニケーションも外さない方法は主語が「私=I」の「Iメッセージ」です。

「お前が大きな音でテレビを観ることでお父さんは集中して本が読めなくて困ってるんだよ」
…これが「Iメッセージ」です。

ポイントは「行動」「影響」「感情」です。

行動→お前が大きな音でテレビを観ることで
影響→お父さんは集中して本が読めなくて
感情→困ってるんだよ

その後に
「だから音を小さくしろ」と言ってしまうとせっかくの「Iメッセージ」がその瞬間に「YOUメッセージ」になります。

「Iメッセージ」で思いを伝えると相手はこちらの思いをちゃんと受け止めてくれるケースが多いと言われています。

コミュニケーションとはキャッチボールのようなものです。
いくら良いことでも一方的な話と言うのは聴いていてしんどいですよね。
だからコミュニケーションがドッジボールにならないように聴き方に気をつけてみるのもひとつの手段です。

コミュニケーション不足を感じられているのであれば
それを解消するヒントになるかもしれませんのでご活用ください。

そして!
またお困りなことがあればいつでもここに来てください。
おひとりで悩まず!
…改善策を一緒に考えましょう。

長文…失礼しました。

投稿日:2009-04-09
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