テレビで廣岡さんの活動を見ていると、「親と子の絆を取り戻す」とか「親と子の仲直り」みたいなことをよく言っていますし、番組の構成も家族の愛だの絆だの仲直りだのが「素晴らしい」「感動」となっています。
しかし、私はどうしても納得できない。
世の中には、「どう足搔いてもやり直せない程、関係が壊れてしまった相手」、「何回殺しても足りないくらい憎い相手」「更生不能」という人がいるものだし、居て当然。そして、それが家族という場合も有り得る。
私が調べたところ、日本の殺人の過半数は、「家族・身内」間で起きており、その事実から言える事は、平穏に暮らす上で
最も緊張感を持ち
最も礼節を弁え
最も感謝すべき相手
それが「家族・身内」だと言う事。
テレビで見る廣岡さん(その他、自立支援業者もだが)のやっている事って、親から依頼された「子供の更生」ですよね？
しかし、いくら子供が更生した所で、肝心の親の方はどうなるんですか？
まさかとは思いますが、勝手に「親は正常」「親は正しい」と前提を決め付けていませんか？そして、悪いのは、ダメなのは「親の言う事を聞かない、親に迷惑をかける子供の方」だと。
「礼節を弁え、感謝する」と上にも書きましたけど、それって「子供が親に対して行う」一方的なものでは無く、お互いにやるべき事ですよね？
子供は親を敬わなければならないけど、親は子供に対して礼節を弁える必要が無いわけ、ありませんよね？
私が何を言いたいのか、というと、「親(大人)がダメなせいで、子供が世の中に絶望して道を誤ってしまった」にも拘らずその子供に対してのみ
「親に迷惑をかけるな」
「親がかわいそうだと思わないのか」
「これからもそうやって生きて行くのか」
と、責任を押し付けるのは、あまりにも理不尽だという事。
子供もそうだが、一番変わらなければならないのは両親や、大人の方だという事。
家族の愛の絆だの綺麗事を言って、「あんな親の元に帰りたくない」という子供の叫びを無視して、「更生が望めないダメ親」と暮らす事を子供に強要するのは、何の解決にもなっていないという事。
ダメな両親、大人の傍に居れば、せっかくの更生した子供もまた悪影響を受けてしまう。
だから、「また家族みんなで仲良く暮らそう」ではなく、「子供が親に依存せず、自分の力で自分の人生を開拓して行ける様にする」事が、「本当の意味での『更生』」とだと、私は主張する。
廣岡さんには、今一度、自分が担当してきた案件を振り返ってもらいたい。
そして、その全てにおいて、「自分がやってきた事は正しい」と胸を張って言えるか、自分に問うてもらいたい。
自分のやってきた事に自信が持てないような大人なんて、子供が信用出来るはずありませんし、そういう人ほど子供にとって有害ですから。
