きみには、僕の記憶は凪を覚えているって言いたいようだね。
一概に間違いではないんだ。
でもね、うゆさんみたいにちゃんと覚えてるわけでもない。
ぼくはね、いままで何度も人格とさよならしてきたんだ。その度にいろんな記憶を混載してしまってる。
僕の記憶の中にある凪ってのは果たしてここにいる凪なのか分からないんだよ。人間会う人、全ての名前を記憶してるわけではないけれども、関わったひとの名前は覚えるようにしてる。医者もだ。
でもね、ここで凪さんがいったウルフってのもお酒ってのもよく分からないんだよ。なんの話をしているんだ?ってなる。
それが嘘か真実かは、きみには分からないだろうね。きみは僕の頭を覗けないからね。
でもね、ぼくは凪さんを知らないんだ。
ここではなしているのは全部事実だよ。
だからね、本当のことを話せ、言わないと凪が近づくぞって言われても脅しにしか聞こえないんだよ。ごめんね。