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お悩みNO.124
伊藤幸弘教育研究所さん
ゴーさんへ
ゴーさん 連続の返信になります。 「聴き方のテクニック」について 分かりやすく2回に分けて書いてみました。 今回は能動的な聴き方「アクティブリスニング」の3つのポイントをお伝えします。 【1.くり返す】 これはカウンセラーがカウンセリングを行うときに クライアントに対して接する手法の代表的な手法です。 相談を持ちかけてくる時というのは頭の中が混乱している状況にあります。 カウンセラーはまずその混乱を鎮めるために相手の話を「くり返す」のです。 そうすると相談者は冷静に自分を見つめることが出来るのです。 例えば…父と子の会話です。 学校での入部したての部活動を辞めようかどうか迷っていることを息子さん。 そのことを父親に相談したとしましょう。 息子:「部活の練習がきつくて…」 父親:「んっ!部活の練習がかなり厳しいんだね」 息子:「うん。特に先輩がね…」 父親:「そうかぁ?。先輩が特に厳しいんだ」 息子:「そう。あまり厳しいから1年生の半分は辞めちゃったんだ」 父親:「え、1年生の半分も?」 息子:「そうだよ!僕も辞めようかどうか迷ってるんだ」 父親:「そうか。     先輩は厳しいし友達は半分も辞めちゃうし…。     それで部活を辞めようかと迷ってるんだね」 息子:「うん…。     でも、せっかくここまで続けてきたし正直もったいない気もしてるんだ」 父親:「なるほど!反面、辞めたくないという気持ちもあるんだ」 息子:「まぁ?ね。先輩も意地悪で厳しくしてるんじゃないしね」 父親:「そうなの?先輩も意地悪だけで厳しいわけじゃないんだ?」 息子:「そりゃ?そうさ!練習以外は優しいし頼りになるときもあるよ。」 父親:「そうか!先輩も頼りになる時があるんだね」 息子:「うん!だからもう少し頑張ってみようと思うよ!」 父親:「お前が決めたならそれでいい!お父さんも応援するぞ!」 このように導きながら聴くことで 相談者は「理解してもらえてる」「受け入れられている」と感じます。 そしてとても満足な気持ちになり父親に対して信頼を寄せることにもつながります。 自分が発した言葉を聴き手の声で聴くことで客観的に自分の問題を整理できます。 悪い例としては… 息子:「部活の練習がきつくて…」 父親:「何っ!練習がきつい?練習はきつくて当たり前だ!     そもそもきつい練習に耐えてこそその先に明るい未来があるんだ!     お前、少し甘えてるんじゃないか?     父さんの若い頃なんかもっと厳しかったぞっ!     でもあの頃、頑張ったからこそ今があるんだなぁ?。     お前も今、苦労しなさい!」 息子:「………。」 どうですか? 一方的に推論だけで話し相手を叱りつける。 そして自分の昔話まで持ち出して長々とお説教を始めるタイプ。 身の回りにもいませんか? これだと相談者は二度と相談を持ちかけないどころか 相手のことを嫌いになってしまうでしょう。 気をつけましょう。 また注意点として明らかに相手が答えを求めているときには 「くり返し」によるアクティブリスニングはいったん中断してください。 息子:「部活で明らかに先輩が後輩をいじめてるんだ。     そのいじめがかなり度を越していてね…。     お父さんはどう思う?」 父親:「部活の先輩のいじめについてどう思おうか聴いているんだね」 息子:「うん。お父さんはいじめについてどう思う?」 父親:「お前はお父さんのいじめに対する考え方について聴きたいんだね」 息子:「だから!それをさっきから聴いてるんだよ!」 父親:「なんか…イライラしているんだね」 息子:「………もういい」 そして相手が「相談」を持ちかけて来ていないのには 無駄に「くり返し」で聴かないでください。 息子:「お父さん、しょう油取って。」 父親:「お前はお父さんにしょう油を取って欲しいんだね」 …これは…まぁ?あり得ないと思いますが…。 【2.話しをまとめる】 相談者は話をしてくる時にかなり興奮しています。 なので一気にまくし立てて話しをしてきます。 そんな時にいちいいちくり返して話を聴いていたら余計に混乱いてしまいますよね。 例えば…母と娘の会話。 娘:「ちょっと聴いてよ!    今日ね、友達のA子ったらひどいの!    私が貸したミスチルのCDを勝手にB子に貸しちゃったんだって!    本当はその次にC子に貸そうと思っていたのに!    だってC子の方がB子よりもミスチルのこと好きだし!    A子に文句言っても謝ってくれないの!    それどころか逆ギレされちゃって!    すっごいムカツク!」 さぁ?これを「くり返し」で…なんて無理ですよね。 「え?っと、ミスチルがA子のことを好きで?じゃなくてB子がC子を好きなんだっけ?」 …とわけがわからなくなります。 そんな時は… 母:「お友達に貸したCDを別のお友達に貸そうとしたら    その前に断りもなく又貸しされて気分を害しているのね」 …と話しをまとめてあげることで相手は冷静になれるはずです。 でも…まとめ過ぎもよくありません。 カウンセリングをしていて帰り際に 「今日の僕の話し…ご理解いただけました?」と聴くと 「はい!要するに“心が大切”ってことですよね!」 …これはまとめ過ぎ…です。 【3.気持ちを汲む】 マザー・テレサ曰く… 「人間にとって耐え難い苦痛は飢餓や貧困や伝染病ではない。それは孤独である」 自分のことを分かってくれない、分かろうとしてくれる人がいない という孤独こそ人は耐え難いものです。 人間の3大本能は「食欲」「性欲」「集団欲=群居本能」だそうです。 本能を満たされると人は「快」になり、満たされないと「不快」になります。 そしてそれが続くと心や体調に変化が生じることもありとても大切な問題なのです。 「つらかったね」 「不安だったんだね」 「寂しかったんだね」 「それは腹が立つ話しだね」 「悔しかったね」 …など、相手の心の様子を口に出して確認してあげることで相手は安心するのです。 どうですか? 2回に渡って「聴き方」についてお伝えしてきました。 お子さんとのコミュニケーションの際にお役立てください。
投稿日:2009-02-27
以上の内容を削除します。
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