なるほど。
給食の件でトラウマがあるのですね。
学校の対応については、運動会後に頑張りましょうと言っていただいているのであれば、今はそれを待つしかありません。
それを信じましょう。
むしろ、どんな対応をしていただけるのか、報告してください。
楽しみにしています。
親としてはその間手をこまねいているわけにもいきませんよね。
ではその間にどうするか。
トラウマを克服する方法のヒントをお伝えしますので参考にしてください。
そもそも「トラウマ」とはなんでしょう?
今やすっかり、広い意味での“恐怖体験”を表わす言葉として日常的に使われる『トラウマ』。
元々は“非常に衝撃的な体験”を指す、心の分野(心理学・精神医学)の専門用語です。
大きな災害、たとえば阪神淡路大震災や東日本大震災では、生命の危機を感じ、大切な人を失うなど、多くの人が強い恐怖や悲しみを体験されたと思います。
このように、心と身体に強烈な影響を与える体験を本来『トラウマ』と呼びます。
こうした体験の後の後遺症(PTSD)に苦しむ方々は、できるだけ早い段階で信頼できる専門家に相談し、心と身体のケアを受けることが大切です。
一方、最近巷でよく耳にする『トラウマ』は、もっと日常的な“傷つき体験”として使われていますね。
お子さんの場合はこちらのケースでしょう。
大きな災害や事故でなくても、日々の生活の中で傷つき、心身のバランスを崩したり、いつまでもとらわれてしまうことはよくあることです。
「なぜ心の傷をひきずってしまうのか?」を理解した上で、日常的な傷つき体験も含めた、『トラウマ』の克服法についてご紹介していきます。
「イヤなことなんて、なるべく早く忘れたい」
そう、誰でもなるべく早く忘れたいし、できれば無かったことにしたい。
でも、実はこの“無かったことにしたい”がクセモノです。
わたしたちは自分の身に起きたことを、実際よりも軽く見ようとする傾向があります。
例えば誰かからヒドイ言葉を言われたとき、「これくらいのことでイチイチ傷ついていたら生きていけない」とか、「気にしない、気にしない!」と、気持ちを切り替えて忘れようとすることがありますね。
気持ちの切り替えは日常生活では必要なことですが、しかし切り替えて“忘れた”はずの感情は、無くなったわけではありません。
意識しなくてもいい心の領域(無意識)に押しやっているだけなのです。
心理学ではこれを『否認』『抑圧』などと言います。
無意識に押しやった感情は、強ければ強いほど、ふとした瞬間に意識にのぼってきます。
中には夢に出てくるという場合もあるでしょう。
「イヤな記憶なのに、なぜか繰り返し思い出して辛くなってしまう」というのは誰しも体験することですが、それはこの“無かったこと”“忘れたこと”にした気持ちが、「無かったことにしないでよ。こんなに傷ついてるんだから!」と訴えるために、再び現れている現象なんです。
つまり、こうしたつらい記憶を繰り返し思い出しているのは、他でもない自分自身からの「しっかり癒されたい!」というサインなのです。
では、どうすればこの繰り返しを終わらせることができるでしょうか?
傷つき体験を本当の意味で消化するためには、体験したことを軽く扱わず、心が感じている本音を受け入れてみることです。
「大したことじゃないと思ってたけど、本当はすごく傷ついているんだ」と認めてあげるのです。
このとき、誰かがお子さんのそばで話を聴いていてくれたら「サイコー!」です。
心に浮かぶいろいろな気持ちを十分に聴いてもらうことができれば、たとえ過去や現実は変わらなくても、つらい気持ちや胸のつかえが少しずつ和らぎ、薄れていくことに気づくでしょう。
過去の事実は変わらなくても、過去の形くらいは変えられるのです。
過去の辛い体験を「もう終わったこと」にするために効果的な方法があります。
それは、その体験の“記憶の仕方”を変えてしまうことです。
ひとつ、実験をしてみましょう。
最近体験した楽しいことを一つ思い出してください。
さあ、その思い出の映像の中に、あなた自身の姿は見えるでしょうか?
人が記憶を思い出す方法には2種類あります。
一つは、“思い出の場面を映画を見るように思い出す”方法。
このときその思い出の映像の中には、あなた自身の姿が見えるはずです。
もう一つは、今ここのあなた自身がその場に戻ったかのように、“気持ちや身体の感覚までもリアルに思い出す”方法。 この場合あなたは思い出を“再体験”しているので、映像の中に自分の姿が見えることはありません。
トラウマ的体験の記憶で長く苦しんでいる人は、思い出を“再体験”するように思い出すと言われています。
そしてそれを何度も繰り返すことで、かえって印象を強めてしまっていのです。
イヤな場面を思い出すとき、“再体験”をしていると気がついたら、ぜひ試してほしいことをお教えします。
1.目の前に映画館のスクリーンをイメージします。
2.そのスクリーンの上に、自分の体験を映画のように映し出します。
画面には自分の姿も映っています。あなたはその映画を見ている観客です。
イメージの中で、映画館の一番後ろの椅子に腰かけてその映画を眺めてみましょう。
自分を登場人物のように
※この時ドキドキしたり苦しくなったりしたら無理をせず中止するか、場面を選び直しましょう。
スクリーンを遠ざけるのも一つの方法です。
遠ざけることで、臨場感が薄れる、その場面がより客観的にイメージできるという効果が期待できます。
3.その映画を見ながら、この体験は今の自分ではなく、画面の中の彼/彼女がしているのだと感じられるまで、その映画を繰り返します。
そして心の中で「これはもう終わったことだ」とつぶやいてみましょう。
4.引いて自分をイメージします今度は映写ホールの出口に立ちます。
そして椅子に座って映画を見ている自分の後ろ姿を眺めてみてください。
そしてまた「あれはもう終わったことだ」とつぶやきます。
5.最後に、スクリーンに幕が降り、出口に立っている自分が映画館を出るようなイメージをしてみましょう。
これを試した後には、同じ体験を思い出す時の感覚が変わっていることに気づくでしょう。
これは脳の働きを利用して、「これはもう終わったこと」だと心と身体に認識させる方法です。
長くなりましたが参考にしてください。