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お悩みNO.4690
伊藤幸弘教育研究所さん
tomさんへ
長年、不登校の相談を受けていると解決した際に親御さんから言われることがあります。 それは「あの不登校だった時の経験が私たち家族をひとつにし、成長させてくれました」…と。 不登校に対して逃げずに真剣に向き合った結果の心からの言葉だと常に頭の下がる思いになります。 いまtomさんは正面からお子さんの不登校と向き合い、そして「親の責任」「親の愛」という大切なことに気づき取り組んでいらっしゃいますね。 時々「責任問題はナンセンス」と耳にしますが、それは親の責任と向き合えない親の言い訳なんじゃないかと思います。 神さまから子どもを授かった以上は、その子どもを育てる責任が親にはあります。 そう、子どもは皆、神の子なのですから。 我々は決して何かの宗教に傾倒しているわけではありませんが、多くの子どもと関わっていると純粋にそう思います。 仰る通り、親が子どもを成長させるのではなく、親が子どもから成長させてもらっているのですよね。 今が過去になったときに必ず「あの経験は無駄ではなかった」と思うはずです。 ただし、愛する我が子から「死」という言葉を聞いて平気でいられる親はいないですよね。 よく頑張りましたね。 抱きしめて一緒に涙することがどれほど大切か…。 夏休みには、色々な体験を一緒にして、 一緒に語り合ったとのこと。 これも素晴らしい取り組みです。 今後も継続してください。 一時期は「自己否定感」が強かったとのことですが、今はその傾向は収まっているのですか。 自己否定の強い子に対して、「ほめて育てる」ということが効果的という見方をする方がいます。 決して間違いではないのですが、時に逆効果になることもあることを頭の片隅にインプットしておいてください。 以下、その内容をまとめまして。 前回と重複する箇所もごさいますが、参考にしてみてください。 前回も書いた通り、今、子どもたちの中で問題となっていること・・・それは自己評価の極端な低さです! 内閣府の調査によると、「日本の子どもはアメリカや韓国・中国の子どもと比べ自己評価が低い」とのことです。 自己評価は英語では「self-esteem」…自己肯定感とか自尊感情と言われることもあります。これは単なる「自信」とは違います。 自己評価とは自信があるとか、ないとかと言う以前のレベルで、「自分は生きている意味がある」「存在価値がある」「大切な存在だ」「必要とされている」…という感覚のことです。 今の子どもたちは、この「自己評価」が低い傾向にあります。 「どうせ僕なんか?」「どうせ私なんか?」・・・この「どうせ?」という言葉が出たら相当、自己評価が下がっていると見ていいでしょう。そのような場合はしばらく叱ったりするのをやめて徹底的に話しを聴いてあげることが大切なのです。 この「自己評価」は二段階に分かれています。 第一段階は「存在に対する安心」 つまり…「自分はここにいて良いんだ」「ありのままで良いんだ」「存在価値があるんだ」「いらない人間なんかじゃないんだ」…という感覚。 これは親が自分の存在を喜んでくれるということから育まれます。 第二段階は「能力に対する自信」 これは…「勉強が出来る」「スポーツが出来る」「お手伝いが出来る」…という自分の能力に対する自信。 これは周囲の人からほめられることで育まれます。 普通、自己評価とか自信とかいうと第二段階の方を問題にする傾向があります。自信のない子に自信をつけさせるために「ほめて育てる」ということをしがちです。でもこの効果があるのは、あくまでも第一段階の自己評価が十分育まれていることが前提です!それが欠けている子どもに対しては「ほめて育てる」ことは逆効果になる可能性もあるのです。 なぜ逆効果なのでしょうか? 存在への安心が極端に欠けている子ども…つまり「自分は存在価値のない人間だ」という子どもは、ほめられることで自分の存在価値を理由づけます。ほめられている間は良いのですが、ほめられなくなると存在価値を失ってしまいます。だからほめられることだけに全精力を注ぐのです!そのために自己主張したり反抗したりすることが出来なくなります。いわゆる「過剰適応」の状態です。 その結果、手の掛からない聞き分けの良い「良い子」になります。 一見、結構なことじゃないかと思いがちですが、でもこれは良い子は良い子でも、大人にとっては「都合が良い子」なだけです。本人にとっては常にほめ続けられなければ不安になり休むことも出来ず常に全力疾走! 当然、そのうちに息切れを起こします。ひたすらにほめられ続けられて、どんどん過大な役割を求められ、ついには頑張れなくなります。 だれにも相談出来ずにやっとの思いで親や教師に相談しても「まぁ?大変だけど頑張れ!」としか言ってもらえず、「これ以上、頑張れないから相談したのに、まだ頑張らなきゃいけないのか」と絶望するのです。そう思ってしまった時は深刻な危機が訪れます。 「これ以上、頑張れない。期待に応えられない自分は存在価値のない人間だ」そんなふうに思いつめて自殺を図ったり苦しさのあまりに周囲に危害を加えるようになってしまう可能性もあります。 大切なのはほめておだてることではありません。子ども自身の存在を認め、喜び、「生まれてくれてありがとう!」と心から思えるかです。
投稿日:2014-09-22
以上の内容を削除します。
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