0か100の思考で辛くなってしまっているのですね。
これは専門用語では「二分化思考」と呼び、認知の歪みの1つとして捉えられています。
状況というのは連続性のある、スペクトラム的なものであり、物事には、白と黒の間のグレーゾーンというものが存在します。
全部ダメな人、全部完璧な人なんて存在しないですね。良い部分も悪い部分もあるのが人間です。
完璧主義の人は、「完璧」にできなかったら、それは失敗になってしまうのです。これは良く聞く話で、完璧なんてものはそうそうないから、この思考に陥りやすい人は、常に現状に満足出来ず、上を上を目指して頑張る。でも、完璧なんてないからいつも満たされない。それでいつも虚無感を感じることになる。もしくは、完璧に出来ないから、全くやらないという選択を取る人もいる。
とにかく、このような思考パターンは、自己批判に直結し、必要以上に落ち込ませたり、鬱にしたりします。
また、これが他者に向いているときは、怒りは必要以上に大きくなるし、必要以上に長引きます。つまり、完璧を相手に求めると。それは人間関係にも悪影響を及ぼします。
そもそもなんですけど、全くダメなんてことはないし、完璧などはないということです。
強烈な落ち込み、落胆、うつ、また、極度の憤慨など感じたときに、立ち止まって、自分がこの白か黒か、0か100かの思考パターンに陥っていないか見つめてみましょう。
そして、今あなたが置かれている状況や、あなたが評価している対象(自分自身かもしれません)において、そのグレーゾーンの可能性を探してみましょう
具体的なやり方としては、たとえば、自分の勉強の出来具合で落ち込んでいたら、そこに0から100までの点数をつけてみましょう。0と100は、自分自身の過去の経験に基づいて、基準をつけましょう。
0点とは、過去のどのときであり、100点とは、過去のどのときか。「100点など経験したことないよ」、というひとは、過去最高の出来であった仕事に点数をつけてください。そして問題となった今回の勉強は何点かつけてみましょう。二分化思考に陥っているときは客観性を失って主観に飲み込まれている最中ですから、このように点数化をすることで主観から一歩離れて客観的に捉えることが出来るようになります。
こうした「客観性を作る作業」に取り組むこと自体が、この黒か白かの思考パターンからの脱却につながります。このようにして、グレーゾーンを探していきます。
そして、悪い所ばかりに目が行ってしまいがちですが、先程から述べているように全くダメというものは存在しませんから、良い所にも目を向けて下さいね。