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お悩みNO.22754
ダチュラさん
連絡帳
※私が実際に体験したお話ではありません 私のクラスにはある女の子がいた。 でもその子は病気がちでなかなか学校に来なかった。 たまにきても3時間目には帰ってしまう。 『休めていいな、ずるい』 そう思っていた。 私はその子の家が近かったので 連絡帳を毎日届けていた。 担任から連絡帳を預かってその子のお母さんに届けて また担任に預けて……ってその繰り返し。 正直めんどくさかった。だって話したことない子だし。 それを何回か繰り返した頃、私は不意に連絡帳の中身が気になった。あの子は何を書いているのだろう。 連絡帳には一日の振り返りがあったのだ。 ページをパラパラとめくってみる。 適当にページをとめ、華奢なあの子のイメージに合う 可愛らしい字で綴られている振り返りをみてみた。 『早く学校に行きたいな。今日は一日中寝ていました。外から楽しそうな女の子の声が聞こえた。もし私が学校に行けていたらあの子達の輪に入れたのかな』 正直、ショックだった。 私は彼女のためにふと思いついて筆箱から鉛筆を取り出した。 『元気になったら遊ぼうね。待ってるよ!』 次の日、いつものように連絡帳を届けた。 彼女の母はこういった。 『ごめんね。もう連絡帳は届けなくていいからね』 私は馬鹿だった。 でも、この言葉の意味だけはわかった。 頭が真っ白になって現実か夢かもわからないまま 目の前で崩れ落ちる彼女の母をみつめた。 視界がぼやけていく。 『ごめんね、今までありがとうね』 そう言って手で自分の顔を覆い尽くす彼女の母。 ああ___視界がぼやけてるのは、 涙のせいなんだ。 私はやっぱり馬鹿だった。 その時今起こっていることが現実であることを理解した。 私は泣いた。 今まで先生に怒られたって、叩かれたって流さなかった涙。 止まらなかった。 彼女と遊びたかった。彼女に会いたかった。 なぜだろうか。話したこともないあの子の存在を 私はどれだけ支えにしていたんだろう。 連絡帳を届けるのは面倒だった。 あの子のことを理解していなかった。 でも、彼女は私にとってかけがえのない存在だった。 彼女の母はそっと私に連絡帳を差し出した。 10年後、私は立派な大人になった。 あの時の馬鹿な私は社会人になったのだ。 今まで辛いことがたくさんあった。 心が折れてしまうこともあった。 でも、あの時彼女の母がくれた連絡帳を開くと そこには彼女が私に向けて残した最期の言葉があった。 『ありがとう、きっといつか遊ぼうね。』
投稿日:2021-10-18
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