<<<<<<<彼女side
「 きです」
そう言えたら"これ"はおさまるだろう
今年は雪が降らないのかな
なんて考える暇がない
気まずいまま時が過ぎていく
そんなの嫌だ
このまま走り出して、ドラマみたいに告白したい
そんな物語は語らせてくれませんか?
好き
す
き
た い
い
_ __ _ ___
_ ___ _____
__ ___ ___
あ _ _ 雪___?
?
!
冬
<<<<<<<彼side
「 きだ」
"これ"はどんどん自分の中で膨らんでゆく
今年は雪が降らないのかな
そうすれば、綺麗な君が見られるのに
気まずいまま_
そんなの嫌だ
このまま彼女 _ 君の元へ
そんな物語を作らせてください
「好きだ」
唇に乗せたその言葉は冷たい空気を包み込む
彼女はどこまでも美しかった
雪が降る夜
右手に温かみを感じながら_
"好"を伝えた
冬
NO side
今までの気まずさは雪とともに溶けてゆく
繋いだ手から"好"が伝わる
笑った彼女は儚く美しく
安心した彼は雪よりも綺麗な優しさで
今この瞬間、氷のように張り詰めた空気が
優しく溶かされていった
「帰ろうか」とどちらかが呟き「うん」とどちらかがこたえる
絶やされることのなかった笑顔に冷たい風は感じられなかった