「怒る」と「叱る」は違う!子どもを傷つけずに効果的に叱る6つの基本ルール
親は我が子のことを真剣に考えるあまり、つい感情的になり、怒ってしまうものです。
しかし、イライラした感情をそのままぶつける「怒る」と、子どもの成長を思って「叱る」のでは全く違います。
子育て心理学から見た「怒る」と「叱る」の違い、そして、ポジティブ心理学ベースの効果的な叱り方についてご紹介します。
■「怒る」と「叱る」の根本的な違い
・「怒る」とは、怒り手の感情を外に爆発させること
・「叱る」とは、相手によりよい方法を教示すること
似ているようで、全く違うことがわかりますね。
「怒る」はネガティブ、「叱る」はポジティブな色味があります。
子どもの困った行動に対し、親がガミガミと感情的に怒ると、その場の雰囲気が険悪になるのはもちろんですが、ダメージはその場だけにとどまりません。
1.トゲのある否定語が、子どもの自己肯定感や自己効力感を低下させてしまう
2.親からその感情的な対処法を学んでしまう
という弊害も出てきます。
とくに2は、その子どもの人間関係にまで影響を及ぼす可能性があります。
例えば、
・親が大声で怒鳴ると、子どもは「そうか、困ったときはパパとママみたいに怒鳴ればいいんだ」
・親が叩くと、子どもは「そうか、困ったときはパパとママみたいに叩けばいいんだ」
と学び、お友だちとの日常に応用されやすいのです。
子どもを叱る場面というのは、親の問題解決能力を披露する場です。
お手本になる対処法を示してあげたいですね。
■ポジティブ心理学ベースの叱り方 6つの基本ルール
【叱るときにやってはいけない3つのルール】7
1.過去を引きずる:「いつもいつもダメなんだから」「毎回毎回同じことを言われて!」
2.叱る範囲をあれもこれもと広げる:「何をやらせても中途半端」「何も聞いていないじゃない!」
3.その子どもを全体否定する:「ダメな子ね」「なんて悪い子なの!」
叱る範囲を広げることで、叱りネタが何倍にも拡大し、怒りへと発展。それが感情の爆発につながります。
【ポジティブに叱るための3つのルール】
1.いまのことだけを叱る:「いまの言い方はよくないよ」
2.目の前のことだけを叱る:「青いペンにキャップをしなさい」
3.その子どもの行動だけを叱る:「それは悪いことだよ」
子どもはよく困った行動をするものです。
それは悪いことかもしれません。
だからといって悪い子ではありません。
「いまの」「目の前の」「行動だけ」を叱るポジティブな叱り方なら、子どもの自己肯定感を傷つけることなく、伝えたいことをしっかりと伝えることができます。
感情を出さずに、とは言っても子どものことを一番に考えているからこそ両親は怒ってしまいますよね。
もし「理不尽な怒り方をしてしまった!」と感じたときは、まずは子どもに「ごめんね」。
子どもの傷ついた心をその場で癒すことができ、親も気持ちのリセットがしやすくなります。
その後は目線を意識的にほめポイントへ。
「できていないこと」ではなく「すでにできていること」をうまくキャッチし、そこを積極的にほめて、子どもの自己肯定感を満たしてあげましょう。
「叱り方のルール」と、「怒ってしまったら素直に謝り、ほめにスイッチ」を、ぜひ今日から取り入れてみてください。