少しの進歩どころか大きな進歩ではないでしょうか。
不登校の子どもに対する接し方に限らず、子どもへの接し方での大前提は「受容と共感」です。
まずはそこからのスタートなのです。
そしてできないことに焦点を当てず、出来たことに対して焦点を当てて一緒に喜ぶ姿勢。
それを突き詰めていくと「存在そのものを認めてあげる」ことになります。
以下は日本・アメリカ・中国の中学生に対して行ったアンケートです。
tomさんのお子さんはまだ小学生ですが参考にしてみてください。
1.「私は他の人々に劣らず価値のある人間だ」
YESの回答…日本(31.5%)、アメリカ(81.5%)、中国(86.6%)
2.「時には私は役に立たない人間だと思うことがある」
YESの回答…日本(56.4%)、アメリカ(32.0%)、中国(25.4%)
国民性の違いがあるし、このアンケートだけでその国の子育ての良し悪しは判断出来ません。
しかし、それにしても日本の中学生の自己評価の低さは突出しているのです。
我々は日本の子供がアメリカ、中国に比べて特別に劣っているとは思えません。
では、どうして日本の子どもたちはこんなに自己評価が低いのでしょう?
考えられるひとつの原因として社会の子どもに対する態度が挙げられます。
何かにつけて「わがままだ」「やる気がない」「甘えている」etc
…などの否定的な言葉を繰り返し刷り込んで来た結果かもしれません。
人間が生きていくためには「自分は存在価値がある」「生きていていいんだ」という自己評価は大切な要素です。
これを心理学では「自己肯定感」といいます。
自己肯定感は子ども時代に育まれると言われます。
自己肯定感を育ませるとは、何かをやらせて褒めて育むものではありません。
それだと失敗した時には逆に子どもを否定することになり「自己“肯定”感」ではなく、「自己“否定”感」を育むことになってしまいます。
自己肯定感を育むとは…子どもの今をそのまま認めること。
存在自体を認めて「生まれて来てくれてありがとう」というメッセージを伝えることです。
現代カウンセリングの礎を築いた、アメリカの心理学者、カール・ロジャースはこう言います。
「I love you because you are you」
これはカウンセラーがクライアントに接する際に基本となる姿勢です。
要するに「あなたはあなたのままで良いんですよ」という意味です。?
この自己肯定感という「心の土台」は、年齢でいうと0?3歳くらいに築かれるといいます。
抱っこされたり、よしよしと頭を撫でられたり…などのスキンシップや目と目を合わせて一緒に笑ったり!
そういうことを通して育まれます。
ちなみに一部、育児雑誌で言われている「抱きぐせ」なんてものは迷信です。
きっと、抱っこするのが面倒くさい親が都合よく作った言葉に違いありません。
そしてこの自己肯定感を土台にして、その次に「しつけ」「生活習慣」が身につきます。
年齢でいうと4?6歳くらい。
着替えをする、トイレが出来る、おもちゃの貸し借り、順番を待つ…。
これは、しつけや生活習慣が身についた証拠です。
更にこの「自己肯定感」「しつけ」を土台にしてはじめて可能になるのが「勉強」です。
だいたい7歳くらいから。
自己肯定感を育み、しつけがある程度身につけた子どもは、7歳くらいになると色々なものに対する好奇心が芽生えます。
好奇心を持った子どもは勉強も身につくのです。
子どもが小学校に入学する7歳から「勉強」が始まるのはそのためです。
要するに「しつけ」や「勉強」の土台は「自己肯定感」だということです。
裏を返せば「自己肯定感」さえ出来ていれば「しつけ」も「勉強」もそれなりに身につくのです。
しかし様々な事情で小さい時に「自己肯定感が育まれなくても手遅れではありません。
いつでも気がついた時にやり直せば多少、時間はかかっても必ず取り戻せるのです。
ちなみにカウンセリングに関しては確かにお金がかかることです。
しかし、民間で実施している無料カウンセリングもあります。
また、この場でも参考になることがあるかと存じます。
どうか諦めずに今からはじめませんか。
我々も一緒に考えていきますから。