模試の結果が志望校合格に向けてとても大切な位置づけを占めているのですね。
であれば、親がどうしても口を出してしまう…というお気持ちもわかります。
親としては志望校に合格して欲しいと願うのは当たり前ですから。
でも、そのことで「あっそ。諦めろってことね。別にいい」と誤解を生んでしまい、勉強に対する意欲すら失わせてしまっては本末転倒ですよね。
「そうではなくて?」と反論しても、既にやる気を失ってしまっているお子さんの胸には響かないのでしょう。
その結果、勉強に取り組んだとしても3日坊主になってしまうのです。
とは言え、このままお子さんの言葉を信じて何も言わない方がいいのかどうかと聞かれれば、そのご質問に対するお返事は「NO」です。
人は皆、「承認欲求」というものがあります。
心理学的に見てもそれは立証されています。
何も言わずに関心を示さないことで、その欲求は満たされず、マイナスな方向に心が動いてしまうのです。
ある実験結果をご紹介しますね。
「A・B・C」のコップに水を入れます。
Aにはプラスの言葉を、Bにはマイナスの言葉、Cには何も話しかけません。
一番最初に水が腐ってしまうのはどのコップだと思いますか。
…答えは「C」です。
AとBは言葉のプラス・マイナスの違いはありますが、関心を示しているということです。
Cはまったくの無関心ということです。
人間の体の約70%は水分です。そのことを考えると「何も言わない」という選択肢はないと思います。
では、何を伝えるか。
今までのように「模試・模試」と追い込んでしまっては元の木阿弥です。
そもそも勉強はなんのためにするのか…を親子で話し合ったことはありますか。
「志望校合格のため」はあくまでも通過点です。
そのためには、お子さんが将来なにになりたい等の夢を把握しておく必要があります。
長年カウンセリングをしていて感じたのですが、親が子どもの夢を知らないというケースは少なくありません。
例えば…今お子さんはスマホにはまっていますよね。
もしかしたらスマホのゲームアプリに夢中になっているのかもしれません。
ゲームに夢中になっているときの人の脳は集中力も増していて、人間本来の力を引き出す「ドーパミン」が大量に分泌しているのです。この人間本来の力を引き出すために勉強にも応用してみるという手もありますよね。
将来はゲームを作る会社で働いてみたい…という夢があったとします。
そこから逆算して親子で子どもの夢の実現のために話し合えばいいのです。
ゲームを作るにはそれなりの知識が必要ですよね。そのためにはどの大学で何を学ぶか。
その大学・学部にいくためには高校でなにをすべきか。
その高校に行くには今、どんな勉強が必要か。
だから今、その高校に行くために勉強をする。
しかも、今のゲーム制作会社はほとんどがグローバル化を目指しています。
将来はもっとそれが加速することが想像できますよね。
であれば、専門的な学問を学ぶ他に、英語だって学ばなければ活躍できない。
そうやって夢を語り合い、夢の実現に向けた逆算の方程式でコミュニケーションを取ることでワクワクしながら話しを進めることができるのです。
また、親だって人間です。
時には間違ってしまうこともあるのです。
今まで追い込むような話し方をしていたのであれば「あの時はごめんね」と素直に謝ればいいのです。
そのような親の接し方で子どもも変わってきます。
子どもは親の鏡です。
是非参考にしてみてください。