Re.2について
いや、あなたは間違っていません。
正論です。
しかし、一方で子どもには正論は通じない、時には正論が相手を傷つけてしまうこともあります。
仕事を見つけるには中卒よりも高卒の方が可能性は高いでしょう。
でも、それを言うなら高卒よりも大卒の方が更に高いです。
要するに「将来仕事を見つけるためにせめて高校だけは出て欲しい」というのは間違ってはいませんが、説得力に欠けるのです。
まず将来の夢や目標があり、その夢や目標の実現のために勉強をする。
この図式でないと途中でちょっと嫌なことがあると投げ出します。
以前、我々がカウンセリングした子にこんな子がいました。
勉強をまったくしないで、成績も学年では下の方。将来の夢や目標も持てず、自分の将来に自暴自棄になっていました。
でも、根気強く話した結果将来の夢(その時点では「らしきもの」)を見つけることができました。
その子の母親はその子が小さい時に腰を痛め、以来、歩行が困難になっていました。その子は実は心の優しい子で、将来、母親が楽に家の1階と2階を行き来できるようなエレベータ付の家を建てたいと思っていたそうです。
その思いを彼の夢に設定しました。
夢が設定されてからの彼は目の色がかわりました。
あれだけ嫌だった勉強を自ら取り組みました。
好きなことには熱中するタイプだったので勉強を本気で始めてからの彼の集中力は周囲も驚くほどです。
もちろん、成績も上がりました。
彼が中学生のときの話です。
その後、彼は誰でも名前の知っている大学の理工学部に特待生で入学しました。
子どもと進路に関して親が話し合うときには一方的な親の思いや、ただ単に仕事がないからというレベルで高校に行って欲しいという思いでは相手の心には火がつきません。
一緒に夢を探し当てるくらい時間をかけて話し合い必要があるのです。
しかも、あなたの場合、通信制高校に…という子どもの言葉に即座に否定的な言葉を発しましたね。
「編入はしても勉強が嫌いならレポート出せないんじゃない」
これも正論です。
間違っていません。
でも、きっとお子さんは寂しい思いをしたでしょうね。
「どうせあんたには無理」ということをやる前から決めつけられてしまったのですから。
こんなことをずっと言われ続けられたら自己肯定感は育ちません。
間違っているか、いないかではなく、その結果相手が変わったか変わってないかです。
一般論としてあなたの言っていること、今まで言って来たことは間違っていませんが、結果論として目的を達成していないのです。
どうかご自身の今までを振り返り「もちかしたら私も間違っていたのかもしれない」と原因を自分に探ってみてください。